MFT(口腔筋機能療法)の重要性と矯正治療への影響
JR立川駅南口 徒歩2分・立川ワシントンホテル2階の「新井矯正歯科」です。
矯正治療というと、装置をつけて歯を並べることばかりをイメージされる方も多いかもしれません。
しかし、実際には「舌の使い方」や「口周りの筋肉の動き」が歯並びやかみ合わせに大きな影響を与えています。
この筋肉の使い方を正しく整えるために行うのが、MFT(口腔筋機能療法)です。
子どものうちは悪い癖が定着する前に改善できることが多く、大人の場合は意識と継続で修正していく必要があります。
今回は、舌癖や習癖と歯並びの関係、MFTの役割、そして当院での取り組みについてご紹介します。
MFTは「舌・唇・頬などの口腔周囲筋の正しい使い方を習得するトレーニング」です。
本来、舌は上あごの天井(口蓋)に軽く触れているのが正常な位置ですが、舌癖があると舌が前に出たり、下に落ちたりしてしまいます。
例えば飲み込むときに舌を前に押し出す癖があると、前歯を外へ押す力が加わり、出っ歯(上顎前突)や開咬の原因になります。
また口呼吸が習慣化していると、口周囲の筋肉バランスが崩れ、ガタガタの歯並びや顎の発育不足を招きます。
このように、歯並びを乱す「見えない原因」にアプローチできるのがMFTの大きな役割です。
日常生活の中にあるちょっとした癖が、不正咬合につながります。
- 舌突出癖:飲み込むたびに舌が前に出る → 出っ歯・開咬
- 口呼吸:口が常に開いている → 出っ歯・叢生(歯のガタガタ)
- 指しゃぶり:長期間続く → 上顎前突や開咬
- 頬杖:片側への力 → 顎の歪みや側方偏位
- 片側咀嚼:左右のバランスが崩れる → 顎関節症や噛み合わせのズレ
矯正治療で歯並びを整えても、これらの癖が残っていると後戻りの原因になります。
だからこそ、矯正治療と並行してMFTを取り入れることが非常に重要なのです。
子どもは新しい習慣を身につけやすく、MFTの成果が出やすい時期です。
小児矯正では装置だけでなく、舌や筋肉の正しい使い方を同時にトレーニングすることで、治療効果を高め、再発リスクを下げることができます。
例えば、「舌を上あごに当てる練習」や「ストローを使った呼吸訓練」など、遊び感覚で取り組める内容も多く、保護者の方と一緒に習慣化していくことが大切です。
乳歯の時期に癖を正しておけば、永久歯が並ぶスペースが確保されやすく、将来の矯正治療がシンプルになることもあります。
大人は長年の癖が定着しているため、改善には根気と強い意識が必要です。
「飲み込むとき舌が前に出る」「無意識に口が開いてしまう」などは、普段は気づきにくい動作ですが、歯並びやかみ合わせに強く影響します。
矯正治療で歯を並べても、癖が残っていると後戻りが起きやすくなります。
そのため、成人矯正ではMFTを取り入れて、治療後の安定性を高めることが欠かせません。
例えば大人の場合、「食事のたびに意識する」「1日数分は必ずトレーニングを行う」など、生活の中に組み込む工夫が重要です。
時間はかかりますが、続けることで確実に成果が現れます。
MFTには様々な方法があります。例をいくつか挙げてみましょう。
- スポットポジション練習:舌の先を上あごの定位置に置く習慣をつける
- 嚥下トレーニング:舌を前に出さずに飲み込む練習
- ストロー練習:口呼吸を防ぎ、鼻呼吸を促す
- 風船膨らまし:口周囲の筋肉をバランスよく鍛える
これらはシンプルですが、継続が一番のポイントです。
歯科医院で指導を受けつつ、ご家庭でも毎日少しずつ取り組むことで効果が現れます。
当院では、矯正治療と並行してMFTを取り入れています。
歯科医師と歯科衛生士が連携し、患者さん一人ひとりに合わせたプログラムを提案します。
・子どもには遊びながら身につけられる練習
・大人には生活習慣に取り入れやすい工夫
を用意し、「できるようになる」まで伴走することを大切にしています。
矯正治療を成功させ、後戻りを防ぎたい方にとって、MFTは欠かせないサポートです。
MFT(口腔筋機能療法)は、矯正治療を成功させるための重要なカギです。
- 舌癖や口呼吸などの習癖は、不正咬合の大きな原因
- 子どもは柔軟に身につけられるため効果的
- 大人は意識と継続で改善し、後戻り防止に役立つ
- トレーニングはシンプルでも、継続が何より重要
- 当院では歯科医師と衛生士が一緒にMFTを指導
歯並びを整えるだけでなく、「正しいお口の使い方」を学ぶことは一生の財産です。
矯正治療をご検討の方は、ぜひMFTについても知っていただき、気軽にご相談ください。








